プラハにミュシャのアール・ヌーヴォーを観に行こう♪

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カフカ、ドボルザーク、スメタナ・・・。チェコ出身の偉大なアーティストは数多くあれど、アール・ヌーヴォー様式の画家、アルフォンス・ミュシャ(チェコ語だとムハ)もチェコ出身だって知っていましたか?

チェコの首都プラハには、彼の残したアール・ヌーヴォーの作品が多く残されています。

日本でも、2017年に国立新美術館で「ミュシャ展」が開催され、大きな反響を呼んだアーティストのひとり。今日はアール・ヌーヴォー好きなあなたがプラハに行ったらぜひ観るべき、ミュシャのアートをご紹介します。

アール・ヌーヴォーとミュシャ

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アール・ヌーヴォー(Art nouveau)とは、フランス語で「新しいアート」という意味で、今から約100年前に建築、工芸品、グラフィックデザインといった多岐にわたる分野において流行したデザイン様式のことです。

花や植物、昆虫、動物などの有機的なモチーフや流動的な曲線の組み合わせといった、それまでになかった華美なデザインや個性的な装飾性が大きな特徴ですが、なにより木や石といった従来の素材とアイアンやガラスといった新素材との組み合わせで生まれた画期的なデザインスタイルが目を引きます。

しなやかで官能的なアール・ヌーボー様式は今なお多くのファンの心を引きつけていますね。

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当時はフランス、ベルギーを中心にアール・ヌーヴォー運動が流行しましたが、中でもチェコ出身のアルフォンス・ミュシャはアール・ヌーボーを代表するグラフィックデザイナーです。

ミュシャの作品は、ポスター、パネル、絵画を中心に、女性をモチーフにした作品や優美な曲線を魅惑的に描いた作品が多くありますが、ミュシャはパリやアメリカで大活躍をした後にチェコに戻って制作を続け、スラヴ叙事詩などの自身のスラブ民族の歴史をモチーフにした大作の連作を完成させ、1939年にプラハでその生涯を終えました。

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ミュシャが生きた時代、チェコは長いことオーストリア=ハンガリー帝国の支配下にあり、1918年に隣国のスロバキアと合併してチェコスロバキア国が生まれた時は、ミュシャをはじめとしたチェコ人(スラブ民族)は自分たちの民族の独立を非常に喜びました。しかしミュシャが亡くなる直前の1938年には、台頭してきたナチスドイツにチェコスロバキアの国土を奪われてしまいます。(ミュシャ自身もナチスドイツに従わない危険人物とみなされ、拷問にあったそうです。)

このように、チェコには大国の歴史に翻弄された悲しい時代が長くありました。だからこそ、晩年のミュシャは、「自分たちチェコ人(スラブ人)は、苦難の歴史を歩んできたが、民族の誇りや歴史、未来の希望を捨ててはいけない」という意味のメッセージをアートで発信しようとしたんですね。

こうした事情で、プラハには、チェコ人アーティストとしてのミュシャが故郷チェコのために残した偉大な名作が今尚多く残されているのです。

というわけで、チェコを愛した偉大なアーティスト、ミュシャの作品を観にプラハに行ってみましょう♪

ミュシャのおすすめ☆アール・ヌーヴォースポット

聖ヴィート大聖堂

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教会の華やかなデザインといえば、ステンドグラス。教会内部に自然光を取り入れる採光が、赤や青、黄といったガラスを組み合わせることによって、教会内をより神秘的に荘厳に照らします。ステンドグラスは主にイエスキリストの生涯や聖書に出てくるシーンなどが描かれています。

チェコの首都、プラハのプラハ城の城内にある聖ヴィート大聖堂には、ミュシャの見事なステンドグラスが遺されています。

実は聖ヴィート大聖堂は、はるか10世紀から建設されているのですが、改築や戦争を経て最終的に20世紀に入ってから完成したという歴史があります。

ステンドグラスは19世紀末から20世紀初頭にかけて作られたとされ、それで古く歴史的な建造物にその時代に活躍していたミュシャが作品を奉納することができたんですね。

聖堂は奥の祭壇に向かって長い空間になっており、回廊の巨大な柱と柱の間に大きなステンドグラスが掲げられています。

入り口から見て左側の手前から3番目が、ミュシャの手がけたステンドグラス。他の作家によるステンドグラスとまるっきり違う、華やかなアール・ヌーボースタイルのステンドグラスは、見てすぐにそれとわかります。

ミュシャのステンドグララスには、最上部にイエス・キリストが手を広げて擬人化したスラブを包み込むように配され、中央には10世紀のボヘミア王でチェコの守護聖人である聖ヴァツラフとその祖母、聖リュドミラを中心に、スラブ世界にキリスト教を布教した聖ツィリルと聖メトディウス兄弟の生涯とが描かれています。

最下部には、BANKA SLAVIE(スラブ保険会社)と書いてあるのはスポンサーなのでしょうね。全てに見入ってしまいます!

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ミュシャ美術館

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Mucha Museum, Kaunicky palac panska 7 110 00 Prague1

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プラハ市内にあるミュシャ美術館では、彼の作品のほか、ミュシャの生涯と作品に関するビデオ上映がされています。

展示は7つのセクションに分かれており、ミュシャの家族によって保管されてきた世界的に有名な数多くのポスターはもちろん、スケッチの下絵や絵のモデルや家族の写真なども展示されており、ミュシャの制作の裏側や制作にかける思いを知ることができます。

体系的にミュシャの作品を堪能したい方には、ミュシャ美術館はマストアドレスですね。

ミュージアムショップではミュシャの作品をベースにしたお土産も展開しているので、美しくすてきなチェコ土産としてもおすすめです♪

市民会館(Obecní dům)

Náměstí Republiky 5, 110 00, Praha 1

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プラハ旧市街の共和国広場の一角にある市民会館は、アール・ヌーヴォー様式で建てられたゴージャスで美しい建物です。市民の公共サービスを行なっている他、音楽ホールやサロン、カフェ、レストランが入っている公共施設です。ここではミュシャは建物の内装を手がけていて(マルチクリエイターですね!)ガイドツアーに参加すると、「市長の間」をはじめとするアール・ヌーヴォースタイルの美しい部屋やステンドグラスを見て回ることができます。

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市民会館の地下には、荘厳なアール・ヌーヴォー式の装飾が施されたプルゼニ・レストラン(Plzeňská restaurace)があり、リーズナブルに本格的なチェコ料理を生演奏とともに堪能できるので、おすすめです☆

出典:https://www.plzenskarestaurace.cz

おわりに

いかがでしたか。

他にも、プラハ国立美術館にも有名な「スラヴ叙事詩」などのミュシャの作品が展示されているので、行ってみてくださいね。

チェコが生んだ偉大なアーティスト、アルフォンス・ミュシャの作品は、彼が活躍していたフランスにも足跡がありますが、実はプラハの方が様々な作品をまとめて堪能できます。

ミュシャ好きな方は、ぜひプラハで彼のアール・ヌーボーを楽しんでください☆

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Writer: Nobuyo Kobayashi
DESIGNERS’ FRIDGE Official Partner