東ヨーロッパのバルカン半島の付け根に位置するクロアチアの首都ザグレブ。ザグレブは小高い丘に立つ緑の豊かな街です。パリやロンドンのような大都市では無いけれど、多彩な様式のヨーロッパ建築が立ち並び、トラムが街中をのんびり走るゆったりした街。今日はザグレブで行ってみたいおすすめ観光スポットをご紹介します。
東西ヨーロッパとイスラム文化の交通の要所ザグレブ
クロアチアは地理的にみても文化や民族が行き交う重要なエリア。南にはギリシアから、東にはトルコから、アドリア海を隔てて東にはイタリアが、北にはオーストリア・ハンガリーからのルートが続いており、古くから人々の交流も盛んでした。このため、古代から中世に栄えたそれぞれの文化のスタイルが街に色濃く残る独特な街並みがあります。
ザグレブは、11世紀に当時のハンガリー王ラディスラヴがアドリア海へ向かう途中にカプトルの丘に教区を設立したところから都市としての機能をスタートさせます。その後、時代の荒波を乗り越えながら第二次大戦後はユーゴスラビア社会主義連邦共和国に組み込まれ冷戦下の東欧側にいたものの、民主主義が台頭し、1991年にクロアチアとして独立します。2013年にはクロアチアはEUに加盟し、首都ザグレブは「古き良きヨーロッパの面影」を残す街として多くのヨーロッパ人たちをとりこにしています。
ザグレブおすすめ観光スポット
それでは早速ザグレブの街に繰り出してみましょう。
市内の移動は基本徒歩で十分。ローカルの人たちに混じってトラムに乗って移動するのも素敵ですね。(ただし、ミロゴイ墓地に行く時にはバスかタクシーで!)イリツァ通りの観光案内所があるイェラチッチ広場から北が旧市街、南が新市街です。旧市街は小高い丘にあり、聖マルコ教会周辺に見所がいっぱい。新市街は碁盤の目状に道が整備されていて、博物館や美術館がたくさんあります。
イェラチッチ広場(Trg bana Josipa Jelačića)
<出典>https://ja.wikipedia.org/wiki/イェラチッチ広場#/media/ファイル:Zagreb_city_(1).JPG
首都ザグレブの中でも中心地。19世紀にクロアチア軍を率いたイェラチッチ総督の名前がついている広場だけあって、イェラチッチ広場に馬に乗った勇壮な総督の銅像がそびえ立っています。広場の横にある観光案内所でまずザグレブの地図を入手しておきましょう♪
ロトルシュチャック塔(Kula Lotrščak)
<出典>http://gkd.hr/kula-lotrscak/
イェラチッチ広場から西に向かって歩いて行くと短いケーブルカーがあります。ケーブルカーで登った先にあるのがザグレブの見張り塔、ロトルシュチャック塔。旧市街の小高い丘にさらに高い塔を立てて外部からの侵入を見張っていたんですね。毎日正午に打ち鳴らされる大砲の音にビックリしないように!
聖マルコ教会(Crkva sv. Marka)
<出典>https://ja.wikipedia.org/wiki/聖マルコ教会_(ザグレブ)#/media/ファイル:St_Marks_Church_Zagreb.jpg
ロトルシュチャック塔から北へ数百メートル、いかにもクロアチアらしいデザインの派手なモザイク屋根の教会は聖マルコ教会。もともとはロマネスク様式で建てられたものが、14世紀に礼拝堂とアーチがゴシック公式で建設され、19世紀末にはネオ・ゴシック様式に改築されて今のシンボル的な屋根に変わりました。文化の十字路だからか、いろんな建築様式がミックスされ、それもまた「ザグレブらしい」んですね。残念ながら内部公開はされていないので、外観のみの見学です。
石の門(Kamenita vrata)
<出典>https://en.wikipedia.org/wiki/File:Kamenita_vrata_W.jpg#/media/File:Kamenita_vrata_W.jpg
ザグレブは敵の侵入を避けるために旧市街を壁ではりめぐらした城塞都市でした。街に入るために6箇所あった門も、残るはこの石の門一つのみ。1731年に大きな火災があった際に、門の焼け跡から無傷の聖母マリアのイコン(絵)が見つかったというザグレブの奇跡のパワースポットエリア。今なお祈りを捧げる地元の人々も少なくありません。
トカルチチェヴァ通り(Tkalciceva)
<出典>https://es.wikipedia.org/wiki/Archivo:Tkalciceva,_Zagreb.JPG
石の門から東に進んでいくとトカルチチェヴァ通りにぶつかります。ここはザグレブのオシャレスポット。オープンテラスのカフェが立ち並んでいるので、歩きつかれた体に一休みのティータイムをどうぞ。
ドラツ青果市場(Dolac)
トカルチチェヴァ通りから一本東の通りに入ると見えてくるのが、赤と白のパラソルが目に鮮やかなドラツ青果市場。「ザグレブの胃袋」とも呼ばれ、近郊の農家が新鮮な野菜や食材を持ち込む青空市場です。朝8時からスタートし、午後2時には閑散としてしまう朝市なので、早い時間帯に向かうようにしましょう。一度見たら忘れられない派手なツートーンのパラソルをモチーフにした置物や雑貨が、周辺のお土産やさんで売っています。ザグレブの記念にどうぞ。
聖母被昇天大聖堂
<出典> https://ja.wikipedia.org/wiki/ザグレブ大聖堂#/media/ファイル:Zagreb_Cathedral.jpg
ドラツ青果市場の東に立つのは、ザグレブ大聖堂とも呼ばれる、クロアチアのカトリック教会の本山。1000年以上の歴史があり、クロアチアでは最も有名な建物として知られています。過去には異民族の侵略によって破壊されたり、侵略者ハンガリーの王を祀ることになったり、火災の被害にあったり、と、歴史の荒波を乗り越えてきたクロアチアの歴史を象徴する建物。建物自体もゴシック様式、バロック様式、に建て替えられた後、19世紀にはネオ・ゴシック様式に再度建て替えられています。
おわりに
ザグレブの観光ツアー、いかがでしたか。ザグレブは歴史的建造物は旧市街にコンパクトにまとまっているほか、新市街には美術館や博物館も充実している古き良き街。ザグレブでのんびりとした1日を満喫してみてくださいね。
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Writer: Nobuyo Kobayashi
DESIGNERS’ FRIDGE Official Partner