バナナペーパーとは?
誰もが一度は食べたことがあるポピュラーな果物。実はバナナは食べるだけではなく、紙に加工することができるってご存じでしたか?バナナペーパーは、バナナの茎の繊維を原料として古紙やパルプを混ぜて作られている環境にやさしい素材です。今回は、バナナペーパーについてもっと理解を深めることができるようにわかりやすくまとめました。
バナナペーパーは不要な茎をリサイクル
バナナを収穫した後、大量に余る茎の部分を利用してつくられるバナナペーパーは、実はとってもエコで地球にやさしい素材です。バナナの果実はバナナの木一本につき一度しか実らず、収穫した後は一年程でまた実がなります。収穫後、再生のために茎ごと実を採るため、バナナの茎が大量に残ります。バナナペーパーが開発される前は、この時出るバナナの茎は使い道がなく廃棄に困っていましたが、茎を紙に加工するバナナペーパー産業がはじまり、問題改善に大いに役に立ちました。
バナナペーパーはどこでつくられる?
バナナペーパーは主にアフリカの南部にあるザンビア共和国という国で生産されています。ザンビア共和国は、ゾウやライオンといった野生動物たちが多く生息する自然豊かな国である一方で、貧困の問題を抱えています。人口の約半分が貧困層で、子供たちが学校に行けず、衛生的な水の確保や充分な医療を受けられる環境が整っていません。しかし、人々がバナナペーパー産業に関わることで雇用の機会が生まれ、貧困問題の改善、子供や女性への教育支援へと繋げ、現地の人が直面している様々な問題の解決へと一歩近づくことができます。バナナペーパー産業は、人々の生活を豊かにし、自立を促します。
バナナペーパーが生産されるまで
まず、バナナ農園から栽培された際に出た不要なバナナの茎を回収します。バナナペーパー産業に携わる人々の手によって、茎の繊維に含まれる水分が除去され、干して乾燥されます。できあがったバナナ繊維を古紙やパルプ等と混ぜ合わせることで、ファッション雑貨等にも使用できる素材としてのバナナペーパーが出来上がります。通常の紙を作るうえで使用される木の再生速度は10~30年ほどかかると言われている上に、木を伐採して作るため森林破壊などの懸念がありますが、一方でバナナの茎は一年ほどで再生するためバナナペーパーの生産は持続可能なサイクルの中で行うことができます。このように、バナナペーパーはサステイナブルで人にも環境にもやさしい注目されるべき素材だと言えます。
バナナペーパー気になるあれこれ
バナナペーパーは高い?
バナナペーパーは、高い技術力によって生み出されています。さらに、その多くはフェアトレード商品のため、適正な価格で取引されている通常の紙より2~3倍ほど価格は高めになります。バナナ繊維の配合の割合が高ければ高いほど、値段も高くなります。ついつい価格の安いものを選んで買ってしまいがちですが、商品の種類によっては高すぎない値段で買えるものもあります。最初は名刺入れや小物入れなど、小さくて手に取りやすいバナナペーパーの商品など買われてみてはいかがでしょうか。
バナナペーパーは何に使われている?
バナナペーパーでつくられた商品は様々なものがあります。名刺や包装紙、カレンダーなど紙製品をはじめ、カードケースやお財布など、そんなものまでバナナペーパーでつくれるの?とおもわず言ってしまいそうな、色々なラインナップがあります。
バナナペーパーはSDGsのすべての目標を満たす稀有な素材
バナナペーパーはエコでサステイナブルな素材です。実は、バナナペーパーはSDGsの定める全ての目標到達に貢献している時代を先取った魅力の詰まった素材なのです。
SDGsとは?
最近TVやニュース、インターネットなどでよく耳にすることがあるSDGsですが、一体どういう意味なのでしょう?
SDGsとは、簡潔に言うと2015年の国連サミットにおいて採択された国際社会全体が取り組む17項目の目標のことです。
世界での経済的発展に伴い、紙の消費量が年々増加しています。しかし、今のペースで紙の消費をし続けると、木の再生が追いつかなくなり、環境に悪い影響を及ぼしかねません。現に、世界では毎年日本の面積の約4分の1にあたる広さの森が消失しています。このような現状をはじめ、様々な社会問題について改善を目指し、消費し続けるのではなく持続可能な社会をつくるため、SDGsの17の目標は設定されました。
バナナの茎の再生可能な点、雇用による貧困や教育、衛生等のあらゆる問題への改善、人や環境や社会をサステイナブルなものにしていくことができるバナナペーパーは、普段何気なく食べている食べ物とは思えないくらい利点の多い素材です。バナナペーパー産業は、地域の人々、環境、社会すべてにいい影響を与えています。そんなバナナペーパーによるカード入れおひとついかがでしょうか??