ビール愛好家のみなさんは、チェコ産のビールを飲んだことはありますか?
最近では日本でも少しずつ「チェコビール」が知られて来ましたが、実はチェコのビールって、ヨーロッパのビールの中でも味わいが日本のビールに近いテイストで、しかもアルコール度数が少し高めの濃厚なボヘミアンビール。
今日はチェコのビールめぐりの旅に出てみましょう。
日本人が飲みやすく感じるチェコのビールのひみつ
チェコは大きく西側のボヘミア地方、東はモラヴィア地方と分かれています。ビールが有名なのは、ボヘミア地方。このエリアでは、ホップの栽培に適した土壌と水(軟水)があるためビール造りに適しているとされ、たくさんの種類のビールが作られています。
ちなみに、一人当たりのビール消費量世界一はチェコなんですよ。
みなさんご存知のピルスナービールも、チェコで生まれたチェコビール。それまでは濁りのある褐色のビールがスタンダードでした。しかし、黄金色のピルスナーの爆発的な人気で、今やピルスナーは世界中のビールの主流となっている製造方法です。チェコ産のホップは80カ国以上に輸出され、日本の主流ビールメーカーのホップも、もともとはチェコのピルスナーだったのだとか。どうりで慣れ親しんだ味に近いハズ!
チェコのビールを楽しむ4つのキーワード
それでは、チェコのビールを楽しむための4つのキーワードについてご紹介しましょう♪
1.飲みかた
チェコのビールメニューには、ピルスナービールと、ホップの焙煎度合いを変えて作る黒ビールの2種類は必ずあります。
ピルスナーだけ飲んでもよし、黒ビールを飲んでもよし。または、両方ミックスもチェコに来たら頼んでみましょう。ピルスナー層と黒ビール層で2層になったビールは必見です!
また、どのビールを飲もうっかな〜♪と幸せなお悩みにひたりたいみなさんのために、利き酒ならぬ利きビールともいうべき、数種類のビールをミニグラスに注いだサンプルセットの用意があるお店もあります。
2.バリング度
メニュー表のビールの銘柄の横に10°、12°といった数字が書かれているのをバリング度と言います。これはアルコール度数ではなく、発酵前の麦汁の濃度を表すもので、この数値が高いほど風味やコクがまして、アルコール度数も高めになります。
ちなみに、バリング度10°はアルコール度数4%程度です。好みのバリング度を見つけてみたいものですね!
3.ホスポダ(Hospoda)
ホスポダというのは、バーのこと。日本風でいうと、居酒屋ですね。
チェコにはこじんまりとしたホスポダが街にたくさんあります。
なんといってもホスポダの魅力は、1杯250円で500ml程度のジョッキビールが楽しめちゃうという超お得なビール天国。(ちなみに地元のスーパーに行けば、ジュースよりもビールの方が安いという衝撃的な事実を知ることになります。)
ランチも営業していて日中はずっとホスポダのお世話になるという人も。散歩でぶらりと立ち寄って、はしご酒なんてのも旅の醍醐味ですね♪
4.銘柄
チェコビールって、なんと400種類以上も存在してるんですって!しかも店ごとに自家製ビールというオリジナルビールもあるので、すべてを制覇するのは至難の技。
ここでは、チェコの代表的なビールをご紹介しましょう♪
ピルスナー・ウルクェル(Pilsner Urquell)
出典:https://www.pilsnerurquell.com/ja/
ピルスナービールといえば、これ。まずはこれからいきましょう。
チェコの2大ビールメーカーのビールで、ピルスナーの故郷プルゼニュで造られています。世界的に有名なビールの銘柄の一つです。
ブディェヨヴィツキー・ブドヴァル(Budějovický Budvar)
出典:http://www.budejovickybudvar.cz/produkty/sortiment.html
チェコのビール界2トップの片方がこちらです。名前は難しいですが、でも、実はみなさん知っているアメリカのビール、バドワイザー(Budweiser) の名前のもとになったといえばおわかりでしょうか・・?
バドワイザーの創始者がアメリカでビールを開発して売り出した時に、チェコのビール名産地のブドワイズ(チェコ語だとブドヴァル)にあやかって名前をバドワイザーとつけたんだそうで、これがもとで商標権の係争にも発展したのだとか。
酒の喧嘩はタチがわるい・・かどうかはともかく、ビールの名産地ゆえのトラブルなのですね。チェコでは本家ブドヴァルのホップの苦味と豊かな香りをお楽しみください。
スタロプラメン(Staropramen)
出典:http://www.staropramen.com/en/blogs/beerpedia/all-categories/sor-es-finom-etelek-a-legjobb-parositas
首都プラハに工場を持つチェコビール。チェコビールの群雄割拠の中、トップクラスの人気と消費量を誇ります。工場見学もできるので、足を伸ばしてみるのもよいかも。
ガンブリヌス(Gambrinus)
出典:https://www.prazdroj.cz/en/znacka/gambrinus
ピルスナー・ウルクェルと同じ敷地内に工場があるガンブリヌス。
このガンブリヌスという名は、ビール愛好家のみなさんは覚えておいて損はない、ドイツに伝わるビールの神様の名前です。それなら拝みにいかなくっちゃ♪
ベルナルド(Bernard)
家族経営の醸造所ながら、世界28カ国に輸出するチェコビールの実力派。さっぱりながらもコクのある、飲みやすい一杯。2匹のバーナード犬のラベルがシンボルです。
コースターを楽しむ
出典:https://www.beer-coasters.eu/en/beer-coasters-collection/karloff-czech-brewery-1-small.html
チェコのビールは、注文するとその銘柄のコースターを用意してくれます。その種類はビールの銘柄の数だけあるとされていて、デザインも厚みがしっかりあって、かつ個性的。
チェコのビールの名前は難しく覚えにくいですが、コースターを集めておいたら何を飲んだかわかりますよね。もちろん、そのままコレクションしてもいいですし、お土産としてお友達に配っても◎。
おわりに
いかがでしたか。
これだけ種類も味も豊富だと、チェコビールの飲み比べもやってみたいものですよね。こってりしたチェコの料理にもあう、ほどよい苦味のさわやかなチェコビール。
ちなみに、私のお気に入りは、プラハの小さなホスポダで飲んだ、自家製ビール。ガラスのグラスではなく、陶器のカップに注いでくれたビールは、日本のビールのようにキンキンに冷えてはいなかったけれど、コクがあり、キリリとした味わい。ビールってこんなにおいしいのか!と感動した、忘れられない一杯となりました。
ビール好きのあなたも、ぜひ、チェコでマイベスト☆チェコビールを探してみてくださいね。
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Writer: Nobuyo Kobayashi
DESIGNERS’ FRIDGE Official Partner