チェコ共和国の西、ボヘミア地方の都市プルゼニュ。この街はドイツ語でピルゼンとも言われ、チェコでは首都プラハ(Prague)、ブルノ(Brno)、オストラバ(Ostrava)に次ぐ第4の規模を誇る都市ですが、実はこの街には地下に秘密があります。
今日は、プルゼニュの地下に潜って探検してみましょう。
なぜプルゼニュは地下が発達しているの?
プルゼニュは、中世の時代に街の地下に地下道が張り巡らされた歴史を持っています。
この地方はもともと銀鉱石の採掘場として発展しており、銀類のほかにニッケル、コバルト、鉄、亜鉛や鉛といった多金属鉱床の地区として、ヨーロッパの産業発展には必要不可欠な地域の一つでした。
13世紀の終わり頃から18世紀にかけて、市街地の地下には食料の貯蔵や工場、そして宗教や政治的利用を目的にした地下空間が作られるようになりました。旧市街の中心部の地下には、地下道網が張り巡らされ、ビールやワインの醸造スペース、レストラン、ギャラリー、下水道、井戸、といった施設が複雑につながっています。複数の層からなる階層を有し、その長さは13kmほどあるといわれます。
地下空間があまりに多く複雑であるため、未だにすべて探査されていないというミステリアスな地下の世界。現在、残された地下空間の多くは立ち入り禁止になっていますが、中には観光客が入れるところもあるのでぜひ行ってみましょう!
プルゼニュはチェコの表玄関であるプラハ本駅から電車と高速バスで行くことができます。鉄道だと1時間半、高速バスだと1時間でプルゼニュに到着するので、プラハから日帰りの旅でも楽しむことができますよ。
プルゼニュで行ってみたいオススメ☆地下探検
それではプルゼニュで体験できる、地下施設をご紹介します。プルゼニュ地方にはプルゼニュの街以外にもたくさんの地下施設が存在していますが、プルゼニュの街中で体験できるオススメスポットはこちら!
地下道博物館(Pilsen Historical Underground)
URL:https://www.plzenskepodzemi.cz/en
プルゼニュの地下道を知るために、まずは地下道博物館に行ってみましょう。
地下道博物館では、1日に数回ガイドツアーが出ています。迷宮のような地下を進み、氷の貯蔵庫や食料の貯蔵庫、排水設備といった地下施設を約1時間程度で回ります。探検ですからね、貸し出しのヘルメット着用をお忘れなく!
ツアーの終盤、ピルスナーウルケルの醸造博物館の地下に到着します。このツアーには、ピルスナーウルケルの試飲チケットが含まれており、18歳以上であれば小さなコップで本場のピルスナービールのテイスティングもできます。
ビール好きな方には、探検ツアーの醍醐味、といったところでしょうか?
ヴェ・スカーレ(Ve Skále restaurant)
出典:https://www.chodovar.cz/id1022en-galerie.htm
URL:https://www.chodovar.cz/id1032en-o-restauraci.htm
歴史的なビール醸造所を持つピルスナービールの名ブランド「ホドヴァル(Chodovar)」。
このブランドの醸造所はまさにビール天国と言われるビール施設が充実しています。地下洞窟を一部利用したレストランはユニークですね。チェコの伝統的な料理とビールで、ここでしか体験できない地下道での食事を満喫しましょう♪
ちなみにこの施設、醸造所のほかに併設のホテルやなんとビールスパまであります。なんと、バスビールと言われる入浴用のダークビールのバスタブに浸かり、中で一杯ビールを飲み干すというビール好きにはたまらないサービスが待っているそうです♪
おわりに
いかがでしたでしょうか。
ビールの名産地だけあって、探検にはビールがもれなく付いてくるというピルスナーの地下アドベンチャー。酔っ払って地下道にさまよいこまないようにぜひお気をつけて!
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Writer: Nobuyo Kobayashi
DESIGNERS’ FRIDGE Official Partner