キュートな食卓♪魅惑のポーランド陶器

ぽてっとしたあたたかみのあるフォルムに、鮮やかで愛らしいデザインの陶器といえば、ポーランドの陶器たち。今日は世界中の人たちから愛されているポーランドの陶器たちをご紹介します。

 

ボレスワヴィエツ陶器が世界中で人気になった理由

<出典>https://ceramika-art.jp/about-ceramika/

ドイツに近いポーランド南西部の街、ボレスワヴィエツはポーランド陶器のメッカ。ボレスワヴィエツにはたくさんの陶器メーカーが存在しています。

もともと、この地を流れる2つの川の流域は陶磁器の原料となる良質な陶土に恵まれていました。このため、14世紀頃から陶器製造を行なっていたと言われています。

ドイツに近いこのポーランド領は、第一次大戦から第二次大戦にかけて、ドイツに侵略され一時的にドイツ領となったのですが、その際に、ドイツから移住してきたドイツ人がこの街の陶器製造産業に目をつけて陶器製造会社を設立したことで、転換期を迎えます。

それまで手描きで陶器に時間や手間をかけてデザインをつけていた陶器づくりから、スポンジで花や模様のスタンプを作り、スタンプで絵付けをする製法を生み出しました。こうすることで絵付けが合理的にかつ生産性が向上したんですね。さすが合理的なドイツ人。

第二次大戦後、ボレスワヴィエツはポーランドに返還され、多くのドイツ人がこの地を去りました。

その後、40年ほど社会主義体制となったポーランドでは、多くの企業が国営化し、もちろんボレスワヴィエツにもポーランド人の陶器会社が誕生。彼らはドイツ人が考案した技法のまま陶器生産を連綿と続けていきました。

冷戦が終わり社会主義体制が終わると、東西に別れていたヨーロッパ各国が徐々に交流を再開します。その流れで「西側」の人たちがドイツの国境を超えてこのボレスワヴィエツにやってくるようになり、西側ではもうあまり見ることがなくなっていた、戦前からの伝統的な製法と上品で愛らしいハンドメイドのデザインのポーランド陶器に注目が集まるようになったのです。

英語ではポーリッシュポタリー(Polish Pottery)と呼ばれ、今ではヨーロッパ圏でもイギリスやフランスからファンがわざわざポーランドに買い付けに来るほどの人気ぶりです。

もちろん、日本にもたくさんファンがいますね。和食にも意外とはまるんですよ。
もともとオーブン料理をサーブするために考案されているだけあり、オーブン対応、電子レンジ対応はもとより、食洗機でも使える丈夫でしっかりした食器です。

時代に翻弄されながらも、時代を超えるポーランド陶器の素晴らしさや価値は変わらないということが伝わってくるようです・・!

ボレスワヴィエツの有名陶器メーカーをご紹介

ボレスワヴィエツには現在もなお陶器メーカーがたくさんありますが、ここではその中でも世界的に有名な工房ブランドをいくつかご紹介しましょう♪

通称ザクワディ社といえば、ボレスワヴィエツを代表する陶器メーカー。ちなみに、数あるボレスワヴィエツの陶器メーカーの中でも、社名で「ボレスワヴィエツ」の名乗りが許されているのはこのメーカーのみ。各製品にスタンプされるメーカーロゴも愛らしいですね。

深い藍色の着彩をベースに、伝統的な絵柄パターンを数千持ち、食器だけにとどまらず保存容器やガーデニングのポットなど、多彩なジャンルでの商品展開が特徴です。

ザクワディ・ツェラミチネ・ボレスワヴィエツ(Zaklady Ceramiczne BOLESLAWIEC)

WEB:http://boleslawiec-pottery.com


<出典>https://www.polishpottery.com/collections/zaklady/color-collection_amber-gold-green

ツェラミカ アルティスティチナもボレスワヴィエツを代表する陶器メーカー。

このメーカーは日本のデパートや百貨店にも商品展開をしており、なんと日本語公式サイトまであるので、商品を事前にじっくり検討したいなという人にはオススメです。

ツェラミカ アルティスティチナは優れた熟練職人が描いた最上級のこだわりの絵皿に作家名を印字したユニカットシリーズというのがあります。このユニカットシリーズは通常の価格よりも高額になりますが、せっかく買うなら1級品がいい♪という方にはおすすめ。

ツェラミカ アルティスティチナ(Ceramika Artystyczna)

WEB:https://ceramika-art.jp

<出典>https://ceramika-art.jp/recipe/r_39/

ぽってりとした丸みを帯びたフォルムと、個性的なデイジーグリーンの絵付けが特徴的なヴィザの製品。

昔ながらの製法のため素朴な粗さが製品に表れており、他社メーカーに比べて濃淡の色差や凹凸が手作りならではの味わいとして楽しめます。

ヴィザ(Ceramika Artystyczna “WIZA”)

WEB:https://ceramikawiza.com

<出典>https://ceramikawiza.com

おわりに

いかがでしたでしょうか。

見ているだけでついうっとりしてしまう、すてきなボレスワヴィエツ陶器の数々。
この食器で食卓を想像するだけでつい笑顔になってしまいますね。

また、毎年8月中旬にはボレスワヴィエツでは街をあげて陶器祭りをやっています。

2019年は8/14〜8/18まで。夏休みの旅行の行き先にもピッタリですね♪

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Writer: Nobuyo Kobayashi
DESIGNERS’ FRIDGE Official Partner