ポルトガルの服飾雑貨で定番のコルクとは?

日常でコルク素材の製品を見かけたりすることってありますよね。例えばコースターやワインの栓、鍋敷きなど。そんなコルク素材ですが、実はとてもエコな素材ってご存じでしたか?今回は、実は身近なエコ素材、コルクについて解説していきます。

1. コルクってどんなもの?

コルクは、主に地中海沿岸に生育するコルク樫という木からとれる素材です。通常の木材とは違い木を伐採することはせず、樹皮を剥がして使用していることが特徴です。樹齢約20年ほどになった木から樹皮を剥がしその皮を乾燥させ、加工して利用します。コルク樫の木は伐採する必要がないため、およそ9年ほど経つと再び樹皮を採取することができます。コルク樫の樹齢はおよそ200年~300年ほどで、一本の木から約12回採取が行われます。そのため、コルクはとてもエコでサステナブルな素材であると言えます。

ワインのコルクは時間がかかる?

ポピュラーなコルク製品といえば、まず真っ先に浮かぶのはワインのコルク栓ですよね。実は、コルクは一回目の収穫からではワインのコルク栓に加工することはできないのです。一回目の収穫で採取されるコルクはでこぼことしており強度もバラバラで均一ではないため、ワインのコルク栓として使用するのには適していません。一回目の採取から9年経って二回目の採取、やっとワインのコルクに加工するぞ!と思いきや、二回目の採取でもまだ強度が足りません。一回目と二回目のコルクは砕いて断熱材や床材などに加工されます。三回目の採取でやっとワインのコルクに加工するのに適した高品質なコルクが採取できるようになります。ワインのコルクに加工できるまで40年程もかかります。ワインのコルクがこんなに作るのが大変なものだと知った後だと、ワインの栓を開けるのが少し特別なものに感じられますね。

2. コルクの主な生産地はどこ?

ポルトガルは世界で一番コルクを生産しており、およそ50%以上の生産量を占めています。ポルトガル産のコルクは品質も最高のものであると言われており、ポルトガルの雨量や湿気、土壌や乾燥度合が高品質のコルク樫を育てるのに最適で、コルクを生産している他の国ではなかなか用意できない環境や条件が揃っているようです。

高まるコルク製ファッションアイテムの需要

日本でメジャーなコルクアイテムといえば、ワインのコルクやコースターなど日用品やインテリア雑貨が多いですが、本場ポルトガルではバッグやポーチなどの服飾雑貨に加工された商品が良く売られています。コルク製の服飾雑貨の需要は海外まで拡がり、特にヨーロッパなどでは人気が高まっています。イタリアの有名な高級ブランドなどもコルクのファッションアイテムを販売していることから、コルク製ファッションアイテムの人気の上昇がうかがえます。

3. コルクはとってもエコな素材?

コルクはとてもエコな素材であることはご存じでしたか?コルクは採取する際木を伐採せず、樹皮のみを剥ぐため一つの木から繰り返し素材を採取することができ、とてもサステイナブルな天然素材です。コルクからとれる木の実は家畜の餌として利用されます。コルク栓などの製品を加工する過程で生産された切れ端なども床材などに加工され、素材を一切無駄にすることがありません。また、コルクは地球温暖化対策にも大きく貢献しています。コルクの樹皮がはがれた後、コルクは自己再生をします。その過程でコルクは通常の樹木の五倍ほどの二酸化炭素を吸収します。コルクはとても地球にやさしい天然素材であり、環境にいい影響をもたらしてくれます。