カシミアの魅力「繊維の宝石」 – フランス貴族も御愛用?

1.「繊維の宝石」カシミアについて知ろう

カシミアという単語、一度は耳にしたことがある方はたくさんいらっしゃるかと思いますが、実はカシミアは「繊維の宝石」という別名が付けられているのってご存じでしたか?カシミアは数ある繊維素材の中でも高級素材として扱われています。とても暖かい上に肌触りもよく、生地に光沢があるため上品さがあります。カシミアの原産地はインド北部のカシミール地方で、そこに生息するカシミア山羊から採れる貴重な毛を加工した毛織物のことを指します。今回は繊維の宝石と呼ばれるほど高級なカシミアの魅力についてせまっていきます。

2. カシミアはなぜ高い?

カシミアは高級素材に分類されるだけあって、ウールなどほかの毛織物と比べるとお値段はお高めです。なぜカシミアは値段が高いのか?と言いますと、それはカシミアという素材に希少性があるからなのです。実はカシミアは、カシミア山羊の産毛の部分のことで、カシミア山羊一頭から採れる毛の量は、およそ150~250gほどです。

カシミア山羊の生息する地域はとても寒いため、カシミア山羊は毛に覆われていますが、そのさらに下には非常に軽くやわらかいあたたかな産毛が生えています。この部分しかカシミアに加工できないため、カシミアはとても希少性が高いのです。

また、カシミア山羊の生息個体数もその希少性に大きく影響しています。カシミア山羊はおよそ8000万頭ほど飼育されており、これは羊の飼育数と比べると非常に少ないです。羊は世界中のいたるところで飼育されているメジャーな家畜であり、およそ10億頭ほど飼育されています。しかも、羊一頭から採れるウールは4㎏ほどですので、カシミア山羊からとれるカシミアがいかに貴重なものなのかがわかります。

3. ウールとカシミアは何が違うの?

さて、先ほどはカシミアがどれだけ希少価値のあるものかについてお話ししましたが、ウールとカシミアは実際どれほど違いがあるのでしょうか?
寒い冬の日に着るセーター、着こむと重いなと感じたことはありませんか?そんな方はカシミア製品をおすすめします。カシミアは、多く流通している羊毛のセーターとは違い、とても軽いという性質を持っています。カシミアの繊維はウールの繊維と比べると、カシミアのほうが細かいため、放熱を抑えつつ風も通さず、暖かさを保つ効果があります。

また、触った時の肌触りもウールとは全く違います。繊維構造が規則正しく並んでいるため、手触りが滑らかで光沢がかかっています。肌に直接触れるマフラーや洋服など、なるべく肌触りのいいものを使用したいですよね。そういった方には、カシミアはぴったりなのです。

バリカンではカシミアは刈れない?

動物の毛を採取するとき、羊が毛をバリカンで丸刈りにされるイメージが強いですよね。しかし、カシミアはバリカンでは採れません。カシミアを採るときは櫛で梳いて採取するため、バリカンより手間がかかります。羊のウールはバリカンで一気に刈れますが、先述したようにカシミアは産毛の部分のみをカシミアに加工するため、手間はかかりますが櫛で採る必要があります。

4. フランス貴族も御愛用?時代を超えて愛されるカシミアの魅力

今日にいたるまでカシミアは高級素材として人々に愛されていますが、実はかの有名なフランスの英雄ナポレオンがカシミアのストールをインドから持ち帰り、妻ジョセフィーヌにお土産として渡し、ジョゼフィーヌはカシミアを大変気に入ったというエピソードが残されています。このことをきっかけにフランス貴族の間でカシミアの人気が瞬く間に広がり、カシミアは多くの人々を魅了しました。フランス貴族をも魅了するカシミア製品、ぜひ一つは所持しておきたいですね。