服飾雑貨や日用雑貨に使われるリネンって何?

1. リネンってどんなもの?

リネンという素材は普段色んな服飾雑貨や日用雑貨に使われていますよね。でも「リネンってどんなものなの?」と聞かれると、スラスラと答えられない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回はそんな方のために、リネンについて解説します。よく衣類や布製の製品などに、幅広く使用されているリネン。リネンは、フラックスという亜麻科の植物でできた植物繊維です。

リネンはいつから使われていたの?

時代を遡れば、リネンが人々によって使用されていた記録は紀元前8000年頃、ティグリス川・ユーフラテス川に亜麻が生えていたことからリネンの歴史は始まります。紀元前3500年頃の古代エジプトでも交易品のひとつとして既に含まれており、リネンは長い人類の歴史の中で最も古い繊維と呼ばれるほど遥か昔から様々な用途で使用されてきました。他にも古代エジプトではミイラを巻くのにリネンが使われてた等の逸話があり、古代ギリシャ人、古代ローマ人もリネンを使用したといわれています。

現在のリネンはどこで生産されているの?

一方で、現在ではリネンが生産される主な地域は、ヨーロッパのフランスやベルギーなど、寒い地域が中心となっており、実に90パーセントものリネン生産高をヨーロッパが占めています。
なぜこんなにもリネンの生産国が一つの地域に集中しているのか?と思った方もいらっしゃると思います。それは、フランスやベルギーはリネン栽培に向いている川の流れと涼しい気候に恵まれていることが背景にあります。これからリネン素材の製品を買おうとしている方は、リネンの生産国がどこなのかを意識すると、質のいい商品に出会えるかもしれませんね。

2. リネンの長所

リネンは通気性や保湿力が高いため、夏は涼しく冬は暖かく、オールシーズンで着ることができます。繊維の中でも強い強度を持ち、水にも強い素材です。また、リネンは繊維自体に抗菌作用があるため、衛生面でもとても優れています。リネン製のテーブルクロスなどがお店に売られているのをよく見かけたりしませんか?それは、リネンが水分を吸収しやすく、繊維に抗菌作用があり衛生的なため、食器などを拭くのに適しているからなのです。

3. リネンはとてもエコな素材

実はリネンはとてもエコでサステイナブルな素材です。リネンの繊維であるフラックスという植物は、春に植えられて夏ごろには収穫ができるほど短期間で勢いよく成長します。農薬もほとんど必要ないため手間もかかりません。また、この植物は光合成の際に、ほかの一般的な木と比べると二酸化炭素の吸収率が約五倍ほどあるといわれており、地球温暖化対策に有効です。リネンは人にも地球にも優しい、エコでサステイナブルな天然素材なのです。

4. リネンを長持ちさせるには?

せっかくリネン素材の製品を買ったなら、ぜひとも長持ちさせたいですよね。リネンは繊維の目が粗めなので、シワができやすいです。脱水しすぎるとシワになりやすいので、洗濯機の脱水コースを短めにすることをお勧めします。お湯で洗うと縮む可能性があるため、水またはぬるま湯で洗いましょう。リネンは直射日光で色落ちしやすいため、日陰干しや風通しのいい場所で干すといいでしょう。乾燥機で乾かすのは、できれば避けたほうが良いです。このように、生地に負担がかからないように心がければ、リネンを長持ちさせることができます。