ニュージーランドの先住民といえば、約1000年前に南太平洋ポリネシア方面からカヌーに乗ってニュージーランドにやってきたマオリ族。
このマオリ族の文化を象徴するシンボルマークが現在もなおニュージーランドを代表するマークとしてアクセサリーやナショナルブランドにも使われていることはご存知でしょうか。
今日は大自然の島国ニュージーランドの息吹を感じるようなマオリのシンボルについてご紹介します♪
マオリの文化が今なお息づくニュージーランド
上にもあるように、マオリ族はニュージーランド人口の約14%を占める先住民です。太平洋ポリネシアにルーツのあるマオリ族の言葉や伝統はニュージーランドに根付き、ニュージーランドがイギリスによって西洋化された社会になってもなおマオリの言葉や舞踊、彫刻、織物、タトゥーといった文化が日常の生活の中で大事にされています。
たとえばハカ。ニュージーランドはラグビーの超強豪国ですが、ナショナルチームである「オールブラックス」は試合前に勇ましい舞踊「ハカ」を踊ることでも有名です。
ハカは、ラグビーだけでなく、お祝い事や客人を歓迎する儀式などでも披露されたりします。ニュージーランドに行ったらぜひマラエ(マオリの集会所)で生のハカで歓迎されてみてくださいね。
このように、ニュージーランドにはマオリの独特な文化が尊重され現代に残っていますが、そのなかでもファカイロと呼ばれる彫刻文化は、文字を持たないマオリの文化や価値観を現代に伝える役割を担っています。
マオリの彫刻は、男性の仕事によるもので、部族ごとにスタイルが異なるものの、自然界に根ざした共通のモチーフがあります。
代表的なニュージーランドのシンボルマーク
それでは早速代表的なシンボルマークを見ていきましょう。
多くのシンボルマークには自然を敬愛するマオリならではの意味があり、アクセサリーや道具、楽器、建物などに施されています。
最近ではニュージーランドの会社や商品のロゴマークにも使われているんですよ。
ティキ(Tiki)
<出典>https://en.wikipedia.org/wiki/Hei-tiki#/media/File:Pendanr_(hei-tiki)_LACMA_M.71.73.156_(1_of_2).jpg
人の顔のお面のようなシンボルマークのティキ。神様が生み出した「最初の人物」という意味です。
そこから「英雄」「先祖への畏敬」「出産」「子孫繁栄」「豊穣」の象徴とされています。
興味深いのは、マオリ族ではティキという名前ですが、同じ意味でハワイだとキィー、タヒチだとティーというように、似た名前で伝わっているということ。
古来から海をわたって人々の交流があったことを思わせるエピソードですね。
コル(Koru)
<出典>https://ja.wikipedia.org/wiki/コル#/media/ファイル:Koru_Unfurling.JPG
マオリではニュージーランドに多く生息するシダの葉は神聖な信仰の対象とされていますが、なかでもコルは、渦巻状のシダの新芽を意味するマオリの言葉とされ、「成長」「力」「平和」「新生」という意味のある吉祥の意味があります。
コルのマークは、ニュージーランド航空やラグビーのナショナルチーム「オールブラックス」のロゴマークとして使われていることでも有名です。
<出典>https://ja.wikipedia.org/wiki/コル#/media/ファイル:AirNZ_Koru.jpg
フィッシュ・フック(Fish Hook)
<出典>https://en.wikipedia.org/wiki/Hei_matau#/media/File:Hey_matey_001.jpg
ハワイアン・ジュエリーにもあるフィッシュ・フック。
フィッシュ・フックというだけあって、釣り針の形をしていますね。
釣り上げるとか、キャッチするという意味から「強さ」「健康や幸運をもたらす」「富」「旅の安全」という前向きのエネルギーを意味しています。
マナイア(Manaia)
<出典>https://en.wikipedia.org/wiki/Manaia_(mythological_creature)#/media/File:Pounamu_9.jpg
なにやら神秘的な形ですね。マナイアは、頭部は鳥、体は人間の形、魚の尾をもつマオリの神話上の生き物。地球上の人間の世界と精神の領域の間のメッセンジャーであり、3本の指は誕生、生涯、死の三位一体を表し、世界の調和を意味しています。
ドアや窓といった建築のデザインや儀式用の武器のデザインとしても使われていました。
ピコルア(Pikorua)
<出典>http://kohi-nz-gifts.ocnk.net/product/395
立体的にねじれているツイストデザインは、マウリの言葉でピコルア(pikorua)と言われます。
このデザインは、命と愛が永遠に続き融合していく様子を表しています。「友情」「愛情」「絆」という意味があるとされ、人と人との絆にぴったりですね。
買うときの注意点
<出典>https://www.newzealand.com/jp/feature/maori-arts/
神聖なマオリのシンボルは、ヒスイや骨を削ったボーンカービングなどに施され、アクセサリーとして売られているのでお土産にはおすすめなのですが、注意点があります。
それは、自分のために買ってはいけないということ。マオリのシンボルは、自分用に買うのではなく、誰かにプレゼントされるべしという言い伝えがあるそうです。
また、誰かにプレゼントする際は、数日から数週間自分に身につけ、自分の魂を込めてからプレゼントするのだそう。
ちょっとヘビーなお土産になりそうですが、大事なことは「大切なものには心をこめること」という意味では、日本人の文化にも通じるものがありそうですね。
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Writer: Nobuyo Kobayashi
DESIGNERS’ FRIDGE Official Partner