パリ好きは知っておきたい!!
パリの道のルール♪

Photo Nobuyo Kobayashi

パリの道といえば、♪オ〜シャンゼリーゼ〜でおなじみのシャンゼリゼ通り。
凱旋門から伸びるシャンゼリゼ通りは、高級ブティックやデパートが立ち並ぶ、パリで一番有名な通りですよね。ほかにも、オペラ大通りなども有名ですが、大通りではなくてもパリは小道にも風情がたっぷり。それぞれが味わいのある街の風景をつくりだしています。

パリはブラブラと歩いているだけでも魅力的な風景を楽しめる街。そこで、お散歩するまえに知っておけば何倍も楽しめるパリの道についてご紹介します。

 

パリの道には種類がある☆

パリの道にはその全てに名前があります。しかも道は種類分けされていて、通りの名前は、通りの名前と種類がセットになっています。
全ての通りの角には、通りの名前が書かれたサインがあります。
ちょっと通りの種類をみてみましょう♪

ブルバール(boulevard)


出典:PhotoAC
https://www.photo-ac.com/main/detail/1070748?title=パリ%E3%80%80シャンゼリゼ通り

地図にbld.とかbd.と書いてあれば、大通りという意味のブルバールのことです。大通りというだけあって、片道2車線以上と自転車・歩行者用の側道があり、街路樹が植えられた、車・自転車・人が通れる大きな美しい道路です。
昔のパリは、セーヌ川を中心にぐるりと城壁が取り囲んでいた城塞都市でした。ブルバールとはその城壁上の通りを指していたので、ブルバールは「ここがパリのはじっこだよ」という意味も持っていたのですが、19世紀に街の大規模な改造を行った際に、城壁ラインとは関係のない大通りも街の中心部に作られ今に至っています。
というわけで、今ではパリのあちこちにブルバールがあるんですね。

ブルバールにもいくつかあって、パリの高速道路をブルバール・ペリフェリック(boulevard périphérique)といい、BPという表記でペリフとかペリフェリックとも言います。このペリフ、現在のパリ市をぐるりと取り囲むように走っており、ペリフの円より内側には高速道路はありません。

なーんだ、じゃああんまり見ることないか〜というと実はそうではなく、シャルル・ド・ゴール空港からバスでパリに向かう道や、オルリー空港に向かう道、フランスの他都市に向かう道も実はペリフなので、空港からバス派やタクシー派の皆さんはペリフには結構お世話になっているかと!
また、ペリフは高速道路ですが、パリをぐるりと回るペリフのやや内側を走る大通りがあります。これはブルバール・デ・マレショー(boulevards des maréchaux)といって、「元帥大通り」と呼ばれています。
これはフランス革命後のナポレオン1世の時代に活躍したフランス軍の元帥(軍人の名誉称号)の名前が主につけられているんです。
まるでフランスの英雄の軍人たちがパリをぐるりと囲んで守ってるようにもみえ、軍事国家フランスらしい一面ですね。

ところでブルバールの中でも放射状に広がる大通りのことをアヴェニュー(avenue)ともいいます。エトワール凱旋門のある円形のシャルル・ド・ゴール広場をみると、たくさん道が伸びているでしょ。そう、パリで一番有名なアヴェニュー、それはあのシャンゼリゼ大通りです。


出典:photoAC
https://www.photo-ac.com/main/detail/807249?title=シャンゼリゼ通り@パリ%20凱旋門

ちなみに、パリの大改造は世界中の都市でお手本にされ、フランスの各都市だけでなく世界のあちこちの都市で大通りをブルバール(英語読みだとブールバード)と名付けられているんですよ。
街づくりでもパリは世界から注目されているんですね♪

 

リュー(rue)


Photo Nobuyo Kobayashi

パリで一番多い通りの種類はリュー。大通りのブルバールではなく、一般の、両側にに家並みのある街路のことです。フランスの雑貨屋さんに道路標識のミニチュアが売っていたりしますが、rueと書いてあるのは「〜通り」という意味です。
ところで、リュー(rue)って英語で言うルート(route)に文字も発音もなんだか似ているような・・と思った方、スルドイ!フランス語にもルート(route)はありますが、リューは通りの両側に家が立ち並ぶ「街中の道路」で、ルートは街と街を結ぶ「国道とか県道」といったちょっと郊外の道を指すようです。

 

パサージュ(passage)


出典:photoAC
https://www.photo-ac.com/main/detail/1449569?title=パリのパッサージュ

観光にパサージュに行ってみたい!と思っている人も多いですよね♪
パサージュには「通り抜け」という意味があり、日本語でいうと歩行者専用の商店街といったところ。パリの1ブロックや建物は大きいので、通りと通りのショートカットで作られたのがパサージュです。
パリの大通りから一歩入った細いガラス製のアーケードの小道は、おしゃれな雑貨屋さんやカフェ、本屋さんが立ち並び、ぶらぶらお散歩するだけでも楽しめちゃう、歩行者天国。

現在、パリにはパサージュは約20箇所程度残されています。
観光のついでに行きやすい有名なパサージュとしては
ギャラリ ヴェロ=ドタ(1区)
ギャラリ ヴィヴィエンヌ(2区)
パサージュ・デ・パノラマ(2区)
パサージュ・ショワズール(2区)
パサージュ・デュ・グランセール(2区)
クール・デュ・コメルス・サンタンドレ(6区)

などなど。街の喧騒を離れ、静かな時間を過ごしたいときにはパサージュへ☆

ケ(quai)


Photo Nobuyo Kobayashi

河岸の通りにはケ(quai)と名前が付いています。パリの中心地を散策するときには河岸散歩もおすすめ。セーヌ川の両岸は見どころたっぷりなので、特にオルセー岸(Quai d’Orsay)は歩いているだけでも楽しいですよね。

 

アンパス(impasse)


出典 :photoAC
https://www.photo-ac.com/main/detail/1208017?title=パリの街並み

数ある道の中でも、アンパスは名前の通り(im=不 passe=通る)、通り抜けでない行き止まりとか袋小路のことを指します。
アンパスでは、観光チックではないパリの日常を垣間見ることができるかもしれません。

 

これさえわかれば安心!番地の見方♬


出典:PhotoAC
https://www.photo-ac.com/main/detail/344806?title=シャンゼリゼ

せっかく通りの名前と種類がわかったところで、番地の見方もマスターしちゃいましょう!
実は、番地は、通りの左右で奇数側と偶数側に分けられています。
建物を注意深く見てみると玄関の上に数字が書かれているので、その数字を手掛かりに数字を追いかけていくとお目当の住所が見つかります。
たとえば、道の左手は、番地が1,3,5,7,9…で、道の右手は2,4,6,8…といったようになっているので、行きたい住所の番地が奇数なのか偶数なのかをまずチェックしてみてください。現地で買える地図には番地が小さく載っているので、パリについたらまず地図を買うのもオススメです!!

おわりに

パリは道のルールを覚えると、とっても奥深くて楽しい街。
地図を片手にパリ探検するときに、ぜひチェックしてみてくださいね♪

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Writer: Nobuyo Kobayashi
DESIGNRS’ FRIDGE Official Partner