東京籐工芸

東京籐工芸は、東南アジアを中心に生息するヤシ科の植物を原料につくられる伝統工芸品です。籐ならではの触り心地や丁寧に編み込まれた見た目の美しさに加え、通気性や耐久性にも優れていて実用的な面もあります。

籐はとても頑丈な植物であり、世界で最も長い茎を生やす植物だと言われています。そのため、籐で作られた椅子や机は耐久性があり、インテリア家具をはじめ非常に人気が高いです。今回はそんな東京籐工芸についてご紹介します。

由来・歴史

その昔、籐は遣唐使によって日本にもたらされ、戦国武士の武器の一部の原料として使われていました。江戸時代になると武器だけではなく、籠などの日用品としても使用され、明治に入ると籐の日用品が数多く生産されていきます。

その後も籐は、高度経済成長に伴いインテリアやファッションとしての人気と需要を伸ばしていく一方、輸入製品も国内に入ってきたことにより籐職人の数が減少していきます。材料を輸入していることによってかかるコストや技術の後継者問題など、様々な課題があります。

特長

東京籐工芸の特徴として、材料である籐の丈夫さや軽さ、編んだり曲げたりしてつくられる素朴な見た目などが挙げられます。籐の太さは6センチ以上もあり、皮が固く強固なため、上に重いものが置かれても問題なく耐久性に優れています。

籐は耐久性、軽さ、曲げやすさや編みやすさを同時に兼ね揃えており、自然由来の素材としては非常に利便性の高い素材です。職人の手で丁寧に編み上げられる東京籐工芸は非常に温かみに溢れており、素朴でシンプルなデザインは和風でも洋風でもインテリアによく馴染み、合わせ易いです。

作り方

東京籐工芸の作り方について、東京都産業労働局から抜粋してご紹介致します。詳しく知りたい方は東京都産業労働局公式サイトをご覧ください。

曲げ

火熱又は蒸気を用い、曲げ台などにより行うこと。

挽き

ふし取りした丸籐の皮を割鉈ではいで銑(せん)で裏の身をとって、切出しで幅をきめること。

巻き

骨組の接合部分などを皮籐(かわとう)、芯籐(しんとう)で巻き補強すること。

編み

皮籐・丸芯・平芯で行い装飾性、強靭性など製品の用途に合せ正確に行うこと。

出典:東京都産業労働局

いかがでしたか?

世界で最も長い茎を生やす籐を原料に作られる伝統工芸品、東京籐工芸についてのご紹介でした。自然素材をそのまま生かしているこの製品は、温かみに溢れ、柔らかな雰囲気が周りのインテリアと調和します。ご興味のある方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。